床ずれの予防と対処

床ずれ(褥瘡)は、寝返りができず寝たきりの方にとって、最もつらい症状のひとつ。
非常に治りにくいばかりか、他の病気の原因にもなるヒフ潰瘍です。
定期的な体位変換や体圧の分散、専用マットの利用、栄養バランスのとれた食事等で 効果的に床ずれを予防することができます。

床ずれの原因は?

以下の要因が絡み合って床ずれが発生するといわれています。

  • 圧迫 ── 同じ姿勢のまま寝ることによる血行障害
  • 栄養の片寄り ── バランス・量の不適当
  • 不潔 ── 皮膚や衣類などの汚れ
  • ずれ ── ベッドで背あげ時、隙間に生じるずれ
  • 摩擦 ── シーツのよじれ
  • 湿潤 ── 汗・失禁

床ずれのできやすいところ

骨が突き出ている部分にできやすく、体重のかかりやすい腰部分がもっともできやすいところです。

床ずれの予防法

体位を交換し、同じ部位に圧迫をかけない

1~2時間に1回は仰向け、右向き、左向きと体位変換をします。床ずれ予防ふとん・パッド、エアーマットなど予防用具も利用してください。
tokozure_yobou_01

体位交換(寝返りの方法)
  • 仰向けから横向きにする
    介護者は向けようとする側に立って、介護される人の手を上げます。反対側の手は胸の上にのせ、向けようとする側の反対のヒザを立てます。
    tokozure_yobou_02
    肩と腰に手を当てて、手前に寝返りさせます。
    tokozure_yobou_03
    クッションなどを当てて安定させ、ラクな姿勢をとってもらいます。
    tokozure_yobou_04
  • 横向きから仰向けにする
    当てているクッションなどをはずし、肩と腰に手を当てて、向こう側へゆっくり仰向けにします。
    tokozure_yobou_05
  • 横向きから仰向けにする(移動マット使用)
    移動マットの両側を手前に引っ張ります。肩と腰に手を当てて、向こう側へゆっくりと仰向けにします。
    tokozure_yobou_06
清潔にして乾燥を保つ

入浴や清拭で体を常に清潔に保つことが大切です。ふとん・シーツ・ねまき・おむつ等は濡れたらすぐに取り替え、湿気やムレを少なくします。

ベッドでの背上げ時、隙間に生じる「ずれ」に注意

膝部を上げてから、背あげをするのが手順。腹部の角度がおよそ30~40度になると、一度背あげをやめ、高齢者を前屈みにしてから、目的の角度に設定します。

刺激を避ける

シーツやねまきのシワや縫い目に気をつけてください。糊をつけすぎないことも大切。また、差し込み便器の使用にも気をつけてください。

栄養状態を良くする

良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルを含んだ高エネルギー食を中心に、消化のよいものを選び、繊維質の多い温野菜等を多く摂取するように心掛けてください。水分補給も大切です。

血行をよくする

昼間はできるだけ起こし、日光浴・マッサージ等で血行をよくします。多少の運動も心掛け、筋肉を動かして血行を良くしてください。

床ずれの手当て

床ずれができたら早期治療が重要です。
床ずれは、
(1)痛みを感じる
(2)赤くなる
(3)水泡ができる
(4)皮膚がむける
(5)出血したり潰瘍ができたりする
(6)骨が見えるようになる
の順で進行します。
tokozure_yobou_07
赤くなりかけたときは、熱めの湯でタオルを絞り、こすらないように押さえるようにしてふき、パウダーをふって乾燥させ、手のひらで滑らかにマッサージをします。
血行をよくすることがいちばん大切だからです。
その部分は直接布団などに当らないように、円座などを当てます。
水疱ができてしまった場合は、かかりつけの医師や看護士に相談して、手当の方法を確認してください。

皮膚が赤くなっていたら

蒸しタオルで清拭し、乾いたタオルでよく拭きましょう。
マッサージやドライヤーによる乾燥は皮下組織の炎症や損傷を悪化させる可能性があるので勧められない処置です。
tokozure_yobou_08

ただれてしまった時は

消毒済みの清潔なガーゼを当てて、医師や看護士などに相談してください。
できるだけその部分が圧迫されないように、体位を変えたり、円座などを使ってください。
tokozure_yobou_09